[メイン]
GM :
大正中期、東京田端にある「田端第二脳病院」をあなたは訪れる。
友人である西洋画家「藤巻華峰」から、「ある女の名前を調べて来てほしい」と頼まれたからだ。
だが、病院長は「そんな女はここにはいない」と口にした。
昼間でもどこか薄暗い病院の中で、あなたは、存在しないはずの女と邂逅する……。
あなたには、女の表情がどのように見えるのだろうか。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : クトゥルーシナリオ「脳病院の女」開幕です。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 君たちは、共通の友人である西洋画家「藤巻華峰」に、手紙や電話、電報などで彼から「頼みがある」と呼び出されました。
[メイン] GM : そして東京田端にある彼の家にやって来たのですが、家につくと、少しやつれた様子の藤巻が君たちを迎え入れてくれます。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「よく来てくれたね。龍ノ介くん、黒男くん」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 頬が少しこけ、あまり健康的な様子ではないが、目には活力があふれており、まさに、創作に没頭している芸術家の姿だ。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「ささっ、家の中に入ってくれ」
[メイン] 間黒男 : 「おれを呼ぶなんて珍しいな華峰、どういう風の吹き回しだ?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「間先生も呼ばれたんですか?」
目を泳がせて辺りをせわしなく見ている全身真っ黒な青年!
[メイン]
間黒男 :
「龍ノ介、お前も呼ばれたのか…」
顎に手をやり思案する様子を見せ
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 成歩堂龍ノ介は一介の大学生である
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
巷で凄腕の医者と謡われる黒男先生と、その辺の雑草みたいなぼく……
……何のつながりがあるかは分からないが知古の関係だった
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : そして……その上何のわけあってか分からないがこうして画家の藤巻先生に一緒に呼ばれてもいるようだ
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「そうだね。説明しないといけない」
そう言って君たちを自分のアトリエへと案内する。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「お、お邪魔します」
やはり目を泳がせながら入る
画家のアトリエ…恐怖の屋敷だったりしないよな?
[メイン] GM : 藤巻の家は平屋の和建築であり、居間がアトリエに改造されている。
[メイン]
GM :
新聞紙が敷き詰められたアトリエのいたるところに、油絵具の跡がついている。
部屋の中央にはキャンバスが立てかけられ、製作途中の油彩の絵画があった。
[メイン] GM : 中央がポッカリと空いたその絵には、33本の樹が描かれており、森を描いたものだとわかる。
[メイン] GM : その絵を見て、〈自然科学〉を持つ黒男は、絵の端々に海を表すものが描かれており、深い森と海が入り混じったような不思議な光景であることがわかるだろう。
[メイン]
間黒男 :
「その絵…よく見ると現実の景色じゃないな?」「なにかモチーフとかあるのかい?」
コートかけにコートをかける
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「え?ただの森に見えますけど……」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「おや?黒男くんにはわかるのかい?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : まずい…!節穴を露呈してしまった
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「これは僕が昔訪れたパリの森を僕なりに描いたものなんだ」
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「しかしまだ未完成でね」
絵の中央のポッカリ空いた空間を見つめながら。
[メイン] 間黒男 : 「成程昔訪れた風景か…海と森が混ざってるのは風景を一括りにしたといったところだろうか」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「確かに……風景に穴が空いてますね。ダイナミックに」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : そんな感じだね。と黒男にうなずく。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「ここにとある女性を描こうと思っているんだけど、あいにく僕は絵の完成を急がせないといけなくて」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「そこで君たち2人を呼んだんだよ」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「女性……ですか」
[メイン] 間黒男 : 「女性か…」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「その女性は近くにある田端第二脳病院にいるんだ。名前だけでもいいから僕の代わりに聞いてきてもらえないだろうか?」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「髪が長く、西洋ドレスを着ていて、とても美しいから一目見ればわかると思う」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「ん?もしかして……名前もご存じないのですか!」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「そうなんだ。僕も一目見ただけで…でも名前を知ればインスピレーションが湧いてきそうで」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「なるほど……何というか、芸術家らしいですね……!」
[メイン] 間黒男 : 「名前を聞きにいけって…そこまで知ってるなら君がいった方がいいんじゃないのか…?」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「僕もそうしたいところなんだけど、大きな展覧会を控えていてね。余裕がないんだよ」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「だから、ぼくたちの手を借りるしかないと……」
ふむふむと頷く
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「それにここだけの話、病院長の「三岸曾太郎」は、金儲けにしか興味のない男で、寄付してくれそうな人物の来訪を歓迎してるんだ」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「僕なんかよりも、家柄がいい龍ノ介くんや、名医と名高い黒男くんの方が円滑に事を運べると思ってね」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「そういう理由でしたか……」
俗な理由でガックリと来た
でも確かに成歩堂家は裕福な部類である
[メイン] 間黒男 : 「そんな輩がヤブに興味示すとは思えないがね」
[メイン]
間黒男 :
「まあいい、わかった」
「ただしこちらからも一つ…」
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「なんだろうか?」
黒男の方に顔を向ける。
[メイン] 間黒男 : 「成功したらいい店奢れよ」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「先生!?儲けてるはずじゃ……」
[メイン] 間黒男 : 「あのな…確かに色々吹っ掛けてはいるが最新医療とか揃えるといくらあっても足りないんだぜ…?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「そ、そうなんですか」
よかった…みみっちい間先生はいないんだ
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「わかりました。絵描き仲間に教えてもらった美味しいお店で奢らせてもらいます」
コクリと黒男にうなずく。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「龍ノ介くんはなにかあるかな?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「あ、いえ!お手伝いさせていただきます!
丁度、大学でも忙しい用事なんかもありませんからね」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「ありがとう。恩に着るよ」
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「それじゃ、二人とも、よろしく頼みます」
ぺこりと頭を垂れて、2人を見送る。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「まずは田端第二脳病院に行くところから…ですね!」
[メイン]
間黒男 :
「そうだな」
コートを取り外に出る
[メイン] GM : 君たちは田端第二脳病院へ向かいます。
[メイン] GM : 病院に着くと、その建物は外壁が白く塗られた2階建ての西洋建築で、白い箱のように見えるだろう。
[メイン] GM : 中に入ると職員がおり、君たちに来訪理由を尋ねます。
[メイン] 職員 : 「こんにちは。ようそこ田端第二脳病院へ。ご予約の方でしょうか?」
[メイン] 間黒男 : 「いえ、そうではありませんが…お見舞いに来ました」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「は、はい!そうなんですよ!」
とりあえず間先生に合わせるが汗ダラダラ
[メイン] 間黒男 : 「私は本間黒子、そして隣にいるお方は龍ノ介坊ちゃま、私は彼の付き人です」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「坊ちゃま!?」
[メイン]
間黒男 :
「(バカ声がデカい!!)」
「(おれは名はあるけど信用は無いし手術でも無いのに入るにはちと厳しい!だから俺はお前の付き人だ!いいな!)」
[メイン] 間黒男 : コソコソ喋る
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「(す、すいません)」
コソコソ
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「えー」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「成歩堂家の……坊ちゃんです。龍ノ介です」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 職員に頭を下げる
[メイン]
職員 :
「…成歩堂!」
その名を聞き、目の色が変わる。
[メイン] 職員 : 「あの有名な成歩堂家のお坊ちゃんでしたか。これはご無礼を」
[メイン] 職員 : 「それで、当院に何のご用でしょうか?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「だ、大丈夫です」
頬をポリポリと掻く
[メイン] 間黒男 : 「なんでも髪が長く、西洋ドレスを着ていて、とても美しい女性がこの病院にいるとか…」
[メイン] 間黒男 : 「彼女には縁があり恩返しをしたいとそう思ってるんですが肝心の名前が分からず途方に暮れていたのです」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「そうそう!そういうことなのです!」
[メイン] 職員 : 「…そのような女性に私は心当たりはありませんね。院長先生ならご存じかもしれないのでお呼びしましょうか?」
[メイン] 間黒男 : 「ではお願いします」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 院長先生……良い話を聞かない人らしいけど、仕方ないよな
[メイン]
職員 :
「わかりました。おかけになってお待ちください」
そう言うと、奥の部屋へと歩いて行きました。
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : しばらくすると、職員に呼ばれて一人の男が君たちの前に現れます。
[メイン]
三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) :
「こんにちは。ようこそ当院へとおいでくださいました」
ニコニコと龍ノ介に微笑みかける。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「はいッ!突然おいでしまして申し訳ございません!」
緊張で日本語が変!
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「いえいえ。成歩堂家のご子息でしたらいつでも構いませんよ」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「ささっ!こちらへどうぞ!」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 院長室へと2人を案内する。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「失礼しますッ!い、行きましょう、せんせ……ゴホン、本間さん」
[メイン] 間黒男 : 「はい坊ちゃま」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 手慣れてるなぁ……
[メイン] 職員 : 院長室に着き、ソファに座りしばらくすると、先ほどの職員がお茶を持って来ます。
[メイン]
職員 :
「粗茶ですが…」
2人の前にそれぞれお茶の入ったカップを置きます。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : ぺこぺこ頭を下げながら、ずぞずぞお茶を飲む
[メイン] 間黒男 : 「これはどうも…」
[メイン] 職員 : ぺこりとお辞儀をして部屋を出て行く。
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 職員が出て行くと、調子良くしゃべり出します。
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「どうでしょうか?当院は、最新の科学理論とアメリカから取り寄せた薬を使って大変な成果を上げておりまして、これは我が国の医療にとって大きな意義のあるものと自負しております」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「へ~!先進的ですね!実は、ぼくも海外には興味があって……」
英語科である
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「ほほう!さすがは成歩堂のご子息ですね」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「そ、そうですかね?それ程でも!」
完全にノせられているので当初の目的はどっかに行った
ただのカモである
[メイン]
間黒男 :
「所で坊ちゃま、ドレスの子の件はよろしいので?」
何か乗せられているから軌道修正に入る
[メイン] GM : 〈心理学〉を持っている龍ノ介と〈医学〉を持っている黒男は、三岸はだいたい本当のことを言っているが少し話を盛っていることがわかる。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「はっ!」
すいません先生
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「そう……実は、ぼく達はとある女性を探していまして」
間先生がしたのと同じ説明をする
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……というわけなのですが、院長先生はご存じないでしょうか?」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 龍ノ介の話をスルーして、自分の病院の素晴らしさを語ることに熱中している。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……ちょっと!!」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「まずは理解してもらいたいのです。それができましたら…」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 聞く耳を持たない。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : な、なんだこの人……!
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「え、え~~~と……貴院は……それはもう、いずれは国内一の大病院になるのでしょうね」
[メイン]
三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) :
「はい!さすがご理解がお早い!」
龍ノ介の言葉に悔い気味に。
[メイン] GM : …………。
[メイン] GM : とめどない三岸の話を音楽のように聞いていた君たちだったが、ふと気づくと話の内容がずいぶんと飛んでいることに気がつきます。
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「どうかされましたかな?」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : ボーッとしていた君たちに三岸が話しかける。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……?あ、いえ……すいません。今、何をお話ししていたのでしたっけ?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : ぶんぶんと頭を振る
[メイン] 間黒男 : なんだ…?今の会話何か変だったような…
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「当院の素晴らしさについて語っていたところでしたね」
[メイン]
GM :
卓上の時計を見れば、少し時間も経っているようだ。
どこかから、海の匂いがする。
[メイン]
GM :
それは、君たちの鼻の奥にこびりついているようで消えることはない。
部屋を見回しても、あるのはいくつかの観葉植物だけだ。
この匂いはどこから来るのだろうか。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : なんだ?何かがおかしいような気がする
[メイン] 間黒男 : なんだ…潮のにおい…?
[メイン] 間黒男 : 近くに海があったかを思い出す事ってできる?
[メイン] GM : 院長室の窓から外を見ることができますね。
[メイン] GM : 海はなかったように思います。
[メイン] 間黒男 : 一応窓から外見る
[メイン]
GM :
では黒男が窓の外を見てみると、見覚えのない木が生えていることに気がつきます。
ここを訪れたときに目に入るはずの場所に、いつの間にか生えているといった感じですね。
[メイン] 間黒男 : 何だあの木は…
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「……!?」
窓を見て
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
森の中…海の匂い…
これには覚えがある
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「(先生……何か、妙です。まるで、アトリエで見たあの《絵》のような……)」
コソコソ
[メイン] 間黒男 : 「(ああ…さっきから何か妙だ…)」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「あの、三岸先生?何か変わったことがありませんでしたか?
ずっと話していたのにおかしな話ですが…」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「……?いいえ。私の話に聞き入っていたように見えましたが」
[メイン] GM : そして何事もなかったかのように。
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「…それよりも、あなた方は何か用があって来たんでしたね。ご用件を教えてもらっても?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「あ、ああ。申し訳ありません」
はっと気を取り直す
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : そして聞いた女性の特徴と、この病院にいるらしい彼女を探しているということを(改めて)説明した
[メイン]
三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) :
「ふ~む…髪の長い、西洋ドレスの女ですか…」
顎に手を当てて考え込む。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「ご存じないでしょうか?院長先生なら、そんな目立つ女性が病院に関係していたらご存じかと思い」
[メイン]
三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) :
「そのような女は見た覚えはありませんね…」
そう言ったあと、はっとした顔になる。
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「いや、あるいは入院患者か看護婦の誰かのことかもしれません」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「どうぞ当院を自由に見て回って探してください」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「よろしいのですか!」
[メイン]
間黒男 :
「ありがとうございます」
ペコリと軽く会釈
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「ええ。成歩堂家のご子息でしたらむしろ私の方からお願いしたいほどですよ」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「案内に看護婦を呼ぶので少々お待ちを」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : そう言うと、部屋から出て行く。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 頭を下げて見送る
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「間先生……何か妙な感じはありますが、上手く行きそうですね!」
[メイン] 間黒男 : 「ん、ああ…」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : しばらくすると、看護婦を連れて戻ってくる。
[メイン] 看護婦 : ぺこりと2人に丁寧にお辞儀をする。
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「失礼のないように」
[メイン] 看護婦 : 「はい。お二人とも、よろしくお願いします」
[メイン] 間黒男 : 「どうも、今日はよろしくお願いします」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「よ、よろしくお願いしますッ!」
[メイン] 三岸 曾太郎(みぎし そうたろう) : 「私は仕事があるからここにいますので、なにかあったら来てください」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「これはご親切に……」
[メイン]
看護婦 :
「それでは案内させて頂きますね」
2人を廊下へと促す。
[メイン] 看護婦 : 「この病院は1階、2階、地下と分かれていて、まずは1階から案内させて頂きます」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ふむふむ……」
話を聞きながら看護婦に続く
[メイン]
GM :
病院の構造は、長い廊下とその左右に患者の病室が配置される形になっている。
患者の病室は個室になっており、窓には鉄柵がはめられている。
[メイン] 看護婦 : 「現在入院患者の数は31人になります」
[メイン] GM : 君たちが廊下を歩いていると、廊下のいたるところに観葉植物が置かれていることに気がつきます。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「け、景観にも気を使っていらっしゃるのですね~」
とりあえず会話が無いと寂しかったっ
[メイン] 間黒男 : 「こんなにあるとお手入れも大変でしょう?」
[メイン] 看護婦 : 「そうですね。でも患者さんがいるから綺麗にしないといけませんからね」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「なるほど。それに、鉄格子ですか……物々しいですけど、これはどうして?」
[メイン] 看護婦 : 「脳病院ですから、暴れたりして窓から出て行かないようにですね」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「こわい」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「なんか……徘徊してないのですか?狂った患者の亡霊ですとか……」
[メイン]
看護婦 :
「私はそのようなものは見たことがありませんね」
龍ノ介の言葉に笑みを漏らしながら答える。
[メイン] GM : 看護婦の案内で病院の廊下を歩いている時、職員によって地下へと運び込まれる木箱を見かける。
[メイン] GM : 一抱えほどの大きさの木箱には、英語の文字が多く書かれており、これがアメリカから輸入されたものであることがうかがえる。
[メイン] GM : 〈言語学〉を持つ龍ノ介は、この荷物が「アメリカ、マサチューセッツ州、インスマス」という土地から来たことがわかる。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「よ、良かった~……あれ、あの箱……」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「インスマス?聞いたことない土地だな……」
ぽつりと
[メイン]
看護婦 :
「ああ、あれですか?」
木箱を運ぶ職員の方に目をやり。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あ、はい。ちょっと何なのかなーと思いまして」
[メイン] 看護婦 : 「あれは院長先生が独自に輸入しているアメリカの薬ですね」
[メイン] 看護婦 : 「地下に収納されておりますので、興味がお有りでしたら保管場所へ案内することもできますよ」
[メイン] 間黒男 : 「ほう、それは興味深いですね」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「へ~!」
「(あ、やっぱり先生でも興味があるんですか?凄いな……田端第二病院)」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「よ、良ければ見せてください!」
[メイン]
看護婦 :
「わかりました。こちらになります」
2人を連れて地下室の階段へ向かう。
[メイン] 間黒男 : 「(まあな)」
[メイン] GM : ひんやりとした地下には、アメリカから運ばれてきたという薬がずらりと並んでいる。
[メイン]
GM :
棚に薬の瓶が保存されている光景は、ワインセラーのようで、薬というよりは多くの酒を保管しているようにしか見えない。
瓶を見ていると、先ほどから感じている潮の香りが強くなる。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「うぐっ……」
病院特有の匂いが強くて気分が悪くなってきた
[メイン] 間黒男 : 「薬というよりは磯臭い匂いがしますが…一体どんな薬を?」
[メイン] 看護婦 : 「私は院長先生から、アメリカから手に入れている高い薬とだけしか聞いていませんね」
[メイン] 看護婦 : 「しかし、これを飲んだ入院患者はみな大人しくなるので、とても効果のある薬のようです」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「まずい大丈夫な奴に聞こえない」
[メイン] 間黒男 : 「大人しくなる…少し見せて貰っても?」
[メイン]
看護婦 :
「はい、構いませんよ」
棚から瓶をひとつ手に取り、黒男に手渡す。
[メイン] GM : 薬は瓶に入った液体状のもので、白みがかった色をしている。
[メイン] GM : ラベルには、「ダゴン」や「ハイドラ」と言った文字が書かれているが、詳しくはわからない。
[メイン] 間黒男 : ダゴン?ハイドラ?聞いた事が無いな…
[メイン]
間黒男 :
「ふ~むなるほどなるほど…」
と棚に薬を戻し…
[メイン]
間黒男 :
返しの手でばれない様に一つくすねる
判定は隠密か?
[メイン] GM : ああ。
[メイン] GM : 2D6で4、5、6が1つでも出れば成功
[メイン] 間黒男 : 緊張するな…
[メイン] 間黒男 : 2D6 (2D6) > 8[2,6] > 8
[メイン] 間黒男 : ヨシ!
[メイン] GM : 黒男は薬の瓶をこっそりくすねました。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「本間さん?用が無いなら早く出ましょうよ……うぐ、頭がガンガンしてきた」
特に気付いてない様子で
[メイン] 間黒男 : 「そうですね坊ちゃま…すいません引き続き案内頼みます」
[メイン]
看護婦 :
「わかりました。暗いので足下に気をつけてくださいね」
2人を連れて1階へと戻る。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ふう~。ぼく、病院の空気って苦手なんですよね」
廊下で深呼吸
[メイン] 看護婦 : 「好き好んでくる場所ではありませんからね」
[メイン] 間黒男 : 「まあそれはそうでしょう」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ですよね!昔注射でそれはもうひどい目に合わされまして!
それ以来、お金を払ってわざわざ酷い目に合いに行く場所というイメージしか無いんですよ!」
[メイン] 看護婦 : 「なるほど。そう言われると分かりますね」
[メイン] 間黒男 : 「それでも死ぬよりはマシですからねえ…」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「ぼくは二度と病院のお世話にはなりませんよ……」
[メイン] 看護婦 : 「ふふ、そうですね、健康なのが一番です」
[メイン] 間黒男 : 「ええ、それが一番です」
[メイン]
GM :
そんな話をしながら、君たちは看護婦に案内されて、患者たちの様子を見ることができる。
患者たちは病室で大人しくしており、こちらを気にかけてくる様子はない。
[メイン] 看護婦 : 「お捜しの女性はいらっしゃいますか?」
[メイン] 間黒男 : 大人しい患者の様子をそれとなく見る
[メイン]
GM :
黒男が患者を見てみると、全員おとなしくしていることがわかります。
しかしその中には髪が長い西洋ドレスの女はいませんね。
[メイン] 間黒男 : 「……見た所それらしき人はいないみたいですね」
[メイン] GM : ではその時です。
[メイン] 間黒男 : !
[メイン] 西洋ドレスの女 : 君たちは、廊下の奥を通り過ぎる女を見かける。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あれ!あの人……!」
[メイン] 西洋ドレスの女 : その姿は、藤巻から聞いた「髪の長い西洋ドレスの女」であり、探していた女に間違いない。
[メイン] 間黒男 : 「……!」
[メイン] 西洋ドレスの女 : そして女は、ふいに君たちの方を向く。
[メイン] 西洋ドレスの女 : その表情は、悲しそうにもうれしそうにも見える。
[メイン] GM : 君たちふたりには、その女性の表情はどう見えましたか?
[メイン] 間黒男 : フッ、って感じのほくそ笑んだ表情
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
あの人だ。でも……
何かを悲しんでいる?
[メイン] 西洋ドレスの女 : その女性は君たちから視線を外すと、廊下の奥へと消えていきました。
[メイン]
間黒男 :
「あっ!ちょっと君!」
慌てて廊下の奥に駆け出す
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「あっ、待ってください……
看護師さん、今の人です!」
指をさしながら廊下の奥へ駆け出そうとする
[メイン]
看護婦 :
「え?いらっしゃったのですか?」
廊下の奥へと走る黒男を追いかける。
[メイン] GM : 廊下の奥には病院の2階への階段があるだけで、西洋ドレスの女性はいませんでした。
[メイン] 間黒男 : そこで足を止めて
[メイン] 間黒男 : 「……いない?」
[メイン]
間黒男 :
階段を見る
恐らくここに行ったのだろうか…
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「階段を登っちゃったんでしょうか?」
[メイン] 間黒男 : 「そうかもしれませんね…」
[メイン]
看護婦 :
「はぁはぁ…この先は、病院の2階ですね」
息を整えながら。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あっすいません」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……2階には何があるんですか?登ってみたいのですが」
[メイン] 看護婦 : 「2階も1階と同じく、入院患者の病室となっていますね」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「なるほど……申し訳ありませんが、案内していただけないでしょうか?
ぼくたちの探している人は、2階に登ったと思うのです」
[メイン] 看護婦 : 「はい。院長先生から仰せつかっていますので、構いませんよ」
[メイン] 間黒男 : 「では、お願いします」
[メイン]
看護婦 :
「わかりました」
2人を連れて2階へと上がります。
[メイン] GM :
[メイン] GM : 階段を上がる途中、君たちの脳裏にある光景が浮かびます。
[メイン] GM : 君たちは砂浜の上で海を見ている。
[メイン] GM : 砂浜の一角には、長い黒髪で西洋ドレスを着た女と、その女を囲んでいる31人の人間たちが見える。
[メイン] GM : 31人はいずれも入院着で、陶酔したような表情で女を見ている。
[メイン] GM : 女を見ていると、君たちの心にも安らぎが広がっていく。
[メイン] GM : 心が解放され、満たされる。
[メイン] GM : ここにいれば、何も不安はない。
[メイン] GM : 女を囲む輪の中に入ろうとした時、周囲の光景は一変する。
[メイン] GM : 海と砂浜の世界が森に上書きされていく。
[メイン] GM : 絵筆で塗り替えるように、森が周囲を浸食する。
[メイン] GM : 31人は、抵抗もできずに森に飲み込まれて行った。
[メイン] GM : そして森は君たちにも迫る。
[メイン] GM : 視界が樹で埋まっていく。
[メイン] GM : あなたの全てが森で塗り替えられようとし、誰かの声が聞こえたような気がした……。
[メイン] GM :
[メイン] GM : 気がつくと君たちは病院の2階の廊下に立っていました。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……!?」
[メイン] 間黒男 : 「……ハッ!?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あれ……い、今のは?さっきの森は……?」
[メイン] 看護婦 : 「どうかなさいましたか?」
[メイン] 間黒男 : 今…確かに海と森が…
[メイン] 間黒男 : ……
[メイン] 間黒男 : 「いえ…なんでもありません」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「(せ、先生!先生も見たんですよね?どうして……!)」
[メイン] 間黒男 : 「(落ち着け龍ノ介!……ああ、確かに俺も見たさ)」
[メイン] 間黒男 : 「(だが現状は見ただけなんだ…どうこう出来る話でもない)」
[メイン] 間黒男 : 「(だから彼女を見つけて…さっさと帰ろう、)」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「(……た、確かにその通りです)」
冷静で的確な意見に焦っていたのが恥ずかしくなる
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「(ありがとうございます……アレを見たのがぼく一人じゃないだけでも、安心できました)」
[メイン] 間黒男 : 「(ああ、俺も同感だ)」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「すいません、看護師さん。案内してください!」
気を入れ替えて女の人を探す
[メイン]
看護婦 :
「はい。わかりました」
こちらです。と2人を案内します。
[メイン] GM : 君たちが看護婦に案内され、廊下を歩き出したとき、廊下から草が生え始め、周りの観葉植物も増えます。
[メイン] GM : まるで森の中にいるように見えますね。
[メイン] 間黒男 : 「……なっ!?」
[メイン] 間黒男 : 看護婦さんに変わった様子は?
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「こ、これは……!?」
[メイン] GM : なにも
[メイン] 看護婦 : ゆっくりと君たちの前を歩いている。
[メイン] 間黒男 : 「待ってくれ看護婦さん!」
[メイン]
看護婦 :
「…!」
足を止める。
[メイン] 看護婦 : 「どうかなさいましたか?」
[メイン] 間黒男 : 「その…さっきと大分風景が変わったりしてないか?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : ば、バカな…こんな変化が分からないわけない!
[メイン] 看護婦 : 「……?」
[メイン] 看護婦 : 「風景、といいますと?」
[メイン] 間黒男 : 「……」
[メイン] 間黒男 : 「いや…少し一階と雰囲気が違うな~と思いましてね…」
[メイン] 看護婦 : 「ああ、1階と2階では日の当たり方が違うのでそう見えるのかもしれませんね。それにこういった場所ですしね」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「…………」
ここで騒いでも、さっき先生に言われたようにどうしようもないか……
むしろ、ぼくの木が狂っただけだと言われても仕方がない状況だ
[メイン] 間黒男 : 「あ~…なるほど、ね、日の辺り方…」
[メイン]
看護婦 :
「…おつかれでしたら少し休憩なさいますか?」
心配するように見つめながら。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「休憩……そうですね、疲れているの……かもしれません……」
間先生に確認を取るように目を向ける
[メイン]
間黒男 :
「そうですね…一旦休憩しますか」
「慣れない所を見て疲れたのかもしれません…」
[メイン]
看護婦 :
「それではこちらの部屋へどうぞ」
2人を連れて階段近くの職員室へと向かう。
[メイン] GM : 職員室の中も床は草で覆われ、壁際には観葉植物が植えられている。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ここも……」
ぶんぶん頭を振る
[メイン] 間黒男 : 「所で看護婦さん、二人で話がしたいので外で待ってもらっても?」
[メイン]
看護婦 :
「わかりました。私は扉の向こうにいますので」
そう言うと部屋を出て行く。
[メイン]
間黒男 :
「ええ、どうも」
そして部屋の扉がバタンと閉まったのを確認し……
[メイン] 間黒男 : 「……フーーッ…」
[メイン] 間黒男 : 「なあ」
[メイン] 間黒男 : 「龍ノ介、どうする?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「どうする……ですか……」
やはり、先生も疲れていたのだろう
道中ではぼくを気遣ってくれたが……こんな状況で気を病まないわけがない
[メイン] 間黒男 : 「おれは…正直に言おう」
[メイン] 間黒男 : 「今すぐここを出るべきだと思う」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……!」
[メイン] 間黒男 : 「おれ達がおかしくなったのか…この施設がおかしいのか、それは分からない」
[メイン] 間黒男 : 「だが」
[メイン] 間黒男 : 「これは異常だ、どう考えても…」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「この施設を出れば、全てが元通りになるのでしょうか……?」
窓の外を見てみる
[メイン] GM : 窓から見える外にも、多くの樹が見える。
[メイン] 間黒男 : 「それも分からない…だが」
[メイン] 間黒男 : 「逃げれるなら早いうちに逃げた方がいいと、おれは思う」
[メイン] 間黒男 : 「それかあるいは…」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……聞かせてください」
[メイン] 間黒男 : 「原因を絶つしかない、こうなったのは何かしらの要因があるはずだ」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「…………」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「それなら……ぼくは、原因を探す方を選びます」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「確かな異常が、ここで起こっている……
そこで逃げて真実を見ないふりをしたら、ぼくは永遠にその先に進めませんから!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「それに。今起きていることは決してぼくたちだけに関係のあることだとは思わないのです」
[メイン] 間黒男 : 「……その先は危険だぞ、それでもか?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……覚悟は決めました」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「どれだけ過酷な現実にも、目は反らしたくない。
……お、おかしいですかね」
照れ隠しに頭を掻く
[メイン]
間黒男 :
「……」
一息つけ
[メイン]
間黒男 :
「なら大人の俺がみすみす逃げるってわけにもいかないな?」
ヤレヤレとしたポーズで
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「せ、先生……!」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「……すいません、ご迷惑をおかけします!
でも、100人力の気持ちです……!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 腰を直角に折り、深々と頭を下げる
[メイン] 間黒男 : 「おいおいそういうのは無事に生きて帰ってからにしようぜ?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「いえッ!ここはもう、ぼくのお礼の気持ちをぜひとも先生にお伝えしたくッ!」
[メイン] 間黒男 : 「ハハハ、お前はそういう所ホント真面目だな!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「まァ……成歩堂家の坊ちゃんらしいですので」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「それはそうと」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「もしかしたら、ぼくたちに残されている時間が多くない可能性があります」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
間先生のおっしゃった通り、明らかに異常な事態が起きている
そして、その中の幻覚
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
幻覚の中で、ぼくは引き込まれるような感覚を覚えていた
もしかしたら、アレは……アレに完全に囚われたとき、ぼくにとって致命的な結果が訪れるのかもしれない
[メイン] 間黒男 : 「タイムリミットか…あり得る話だな」
[メイン]
間黒男 :
「……そういやここ職員室だったよな」
おもむろに漁ってみるけどなにかある?
[メイン] GM : 黒男がその辺りのものを漁ると、特に気になるものは見つかりませんが、潮の、海の匂いが鼻を突きますね。
[メイン] 間黒男 : 「ここは特に情報は無いか…」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「むしろ木々に囲まれているのに、潮の香りがします……
まるであべこべですね」
[メイン] 間黒男 : 「やはり少女に会うしかないか…関係が無いとは思えない」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「そうですね……この病院の中で、彼女は不思議な雰囲気を纏っているように見えました……」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「……それに、長いこと看護婦さんを待たせてしまっています。
間先生、ぼくはもう大丈夫ですが……お加減はよろしいでしょうか?」
[メイン] 間黒男 : 「ああ、おれも大丈夫だ」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 頷き、立ち上がると職員室の戸に手をかけて開く
[メイン]
看護婦 :
「もう、大丈夫なのでしょうか?」
開けたドアの先にいた看護婦が、顔色が優れない2人を心配そうに見つめながら。
[メイン] 間黒男 : 「ええ、もう大丈夫です、お待たせしました」
[メイン] 看護婦 : 「わかりました。それでは案内を続けさせて頂きますね」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「すいません、よろしくお願いします!」
[メイン] 看護婦 : 2人を連れて病室の方へ歩いて行く。
[メイン] 看護婦 : 1階と同様に看護婦に案内されて、患者たちの様子を見ることができる。
[メイン] 看護婦 :
[メイン] GM : しかし、1階では君たちに気をかけることがなかった患者たちが、2階では微笑みかけてきます。
[メイン] GM : だが、君たちはそのことよりももっと大きな異変を目にするだろう。
[メイン] GM : 2階の患者たちは、手足の一部が樹へと変わっている。中には、全身が樹に変わっていて、1本の樹に患者の服がかけられているように見える者もいる。
[メイン] GM : 看護婦が患者の手足に水のようなものをかけており、患者は微笑んでその様子を見ている。
[メイン] 間黒男 : 「……看護婦さん、いったい何をしてるんです?」
[メイン] 看護婦 : 「あれはお薬をさしあげています」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「薬……!?」
[メイン]
看護婦 :
「…?普通のお薬ですが、なにか気になることが?」
きょとんと龍ノ介の方を見ながら。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「……いえ」
深呼吸して、気を取り直す
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「脳病院だというのに、手足に薬をつけるものなんだな……と」
[メイン] 看護婦 : 「そうですね。患者さんの中には1人で薬を服用出来ない方もいらっしゃいますからね」
[メイン] GM : そのまま君たちが2階を進んで行くと、突如、海の匂いをさらに強く感じる。
[メイン] 西洋ドレスの女 : 見ると、2階の廊下の奥、さらに上へと続く階段があり、西洋ドレスを着た女が登っていく。
[メイン]
間黒男 :
「……!?」
[メイン] 間黒男 : 「……看護婦さん、ここって2階までしかないんですよね?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あの階段は、屋上ですかね?」
[メイン]
看護婦 :
「はい。あの階段は屋上へのものですね」
2人が見る方を見ながら。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「一体、屋上で何を……?本間さん、行きましょう!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 階段へ向けて駆けだす
[メイン] 間黒男 : 同じく駆け出す
[メイン] GM : 君たちは屋上への階段を駆け上がります。
[メイン] GM : 屋上へ出ると、脳病院の周辺が一望できる。
[メイン] GM : 周囲はいつの間にか深い森に変わっており、家々も樹々の中に埋もれている。
[メイン] GM : 女は振り返って君たちを待っており、その表情がどのようなものに見えるかは、君たち次第である。
[メイン] GM : さて、君たちには彼女の表情はどう見えるだろうか。
[メイン] 間黒男 : 相変わらず小馬鹿にした笑みを浮かべている
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : やっぱり、物悲しい顔だ……
[メイン] 西洋ドレスの女 : 女が君たちの方から視線を外すと、ある方向を指差す。
[メイン] 西洋ドレスの女 : その方角は藤巻の家の方向であり、女は何も語らないが、彼の家に何かがあるのだろう。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : あの方向は……?藤巻さんの……!
[メイン] 間黒男 : その行動を見て
[メイン] 間黒男 : 「ちょっと待ってくれ…アンタ一体何者なんだ?」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「……何者だと思いますか?」
小馬鹿にした笑みを浮かべて、黒男に問い返す。
[メイン] 間黒男 : 「……喋れたのか」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「はい」
ニコリと笑って。
[メイン] GM : 女と黒男が話をしているが、龍ノ介には女の言葉は聞こえない。
[メイン] 間黒男 : 「……正直皆目見当がつかないな、」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「えっと……何を喋ってるんです?」
不思議そうな顔で
[メイン] 間黒男 : 「……お前には聞こえないのか?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「まさか……先生には、聞こえてるって言うんですか?
あの人の声が!」
[メイン] 間黒男 : 「…そうか、」
[メイン] 間黒男 : 「もしかしたら、おれの方が重症なのかもしれないな…」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 龍ノ介にもの悲しげな顔を向けている。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「あのー……!」
自分も女の人に声をかけてみる
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「……はい」
今にも泣き出しそうな悲しげな声で龍ノ介に答える。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……!き、聞こえる……」
[メイン] GM : 女と龍ノ介が会話をしているが、女の声は黒男には聞こえませんね。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あのー……恐縮ですが、先生と何を話していたんですか?」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 「…なにもお話していませんよ」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 「ただ、じっと彼の方を見ていただけです」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「え……?でも、先生と確かに話している様子で……」
[メイン] 間黒男 : 「……そうか」
[メイン] 間黒男 : 「そっちの声はおれには聞こえてない」
[メイン] 間黒男 : 「まるで別の人間と会話しているみたいだな…これは」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……確かに」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「ぼくたちは、同じ場所に向けて話しています……そこに、一人の人間がいると信じて」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「でも。お互いの見聞きしているものはその通り……別々の人としか思えないように感じます」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ぼくもお尋ねします。あなたは一体、何者なのですか?」
女性に尋ねる
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「…それは私にもわかりません」
いっそう悲しい声で答える。
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「でも、彼に会えば、あるいは…」
藤巻の家の方向に目を向けながら。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「藤巻先生……ですか」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「…はい」
悲しげな表情のままコクリと頷く。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「…………
……では、もう一つだけお尋ねしてよろしいでしょうか?」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 「…はい。私に答えられることなら」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あなたのお名前をお聞かせください」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「藤巻先生がこの事態について何かを知っているかもしれなくても、
その上でぼくたちを放り込んだとしても……
そういうお願いを受けてますからね!」
しっかり聞いておかないと!
[メイン] 西洋ドレスの女 : 「私の、名前は……」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「─────」
パクパクと口を開くが、何を発しているのか龍ノ介にはわからない。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……?あの、すいません。何て?」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 「─────」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……ダメだ……聞こえない」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 龍ノ介のその言葉に、女の悲しい顔が更に曇っていく。
[メイン] 間黒男 : 「……おれからも聞こう、名前は?」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「…私の名前、ですか?」
ニコリと笑い、続ける。
[メイン] 間黒男 : 「ああ」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「─────」
パクパクと口を開くが、何を発しているのか黒男にはわからない。
[メイン] 間黒男 : 「………そうか」
[メイン] 間黒男 : 「なら質問を変えよう」
[メイン] 間黒男 : 「藤巻について何か知っているか?」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「はい。知っていますよ。絵描きさんですよね?」
にやりと笑いながら答える。
[メイン] 間黒男 : 「知り合いなのか?」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「どうでしょうね。互いに一方的な知り合い…とでもいったところでしょうか」
クスクスといたずらっぽく笑いながら。
[メイン] 間黒男 : 「……そうか」
[メイン]
間黒男 :
「どうやら…真実は一番最初の所に眠っているらしいな」
藤巻の家の方角を見て
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「彼のところに連れて行ってもらえませんか?」
同じようの藤巻の家の方角を見つめて。
[メイン] 間黒男 : 「…行きたいのか?構わないが…」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 「…彼も私を探しているんでしょう?」
[メイン] 間黒男 : 「…そんなことまでよく知ってるな」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 黒男のその言葉にクスクスと笑っている。
[メイン] 間黒男 : 「龍ノ介!そっちの方はついて行きたいと言ってるか聞いてみてくれ!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「! は、はい!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「あの……すいません!あなたは藤巻先生に会いに行きたいのですか!?」
[メイン] 西洋ドレスの女 : コクリと頷き。
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「…連れて行ってもらえるのですか?」
消え入りそうな声で龍ノ介に尋ねる。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……なぜ、行きたいのかはお尋ねしてもよろしいのでしょうか」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「…ただ、なんとなく、この先にいる人が私を求めているような、そんな気がして」
目線を藤巻の家の方向に向けながら。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「……なるほど……」
こくり、と頷く
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「分かりました。実は、藤巻先生もあなたに会いたいとおっしゃっていたのです。
お連れします!」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「……よろしいのですか?」
龍ノ介の方を見つめるも、その瞳は今にも泣き出しそうで。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「ええ!……こ、こんな時でもそんなに泣きそうな顔をされるのですね」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「ああ、気を悪くさせたのなら申しわけありません」
顔を俯かせる。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ああ、いえ!ですが……笑った顔を見せてはいただけないのかなぁ……という……」
微妙な笑みを浮かべる 人の泣きそうな顔は得意じゃない
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「ごめんなさい。私もこんな顔しかできなくて…」
瞳が潤んでいき、今にも泣き出しそうな顔になる。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「ああああ……!」
[メイン] GM : 黒男には嬉しい顔、龍ノ介には悲しい顔に見るその女は、君たちそれぞれに藤巻の家に連れて行って欲しいと頼みました。
[メイン] GM : どうしますか?
[メイン] 間黒男 : 連れていこう
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : ええ。
[メイン] GM : 女を連れて階段を降りると、看護婦が階段の前で待っていました。
[メイン] 看護婦 : 「申しわけありません。職務中は屋上へ上がるのを禁止されていまして…」
[メイン] 間黒男 : 「おや、そうだったのですか…」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「いえいえ、上げていただいてありがたいです」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「お陰様で、この通り探していた方も見つけられましたから」
[メイン] 看護婦 : 「はい。患者さんが上がると危険なので普段は鍵が…」
[メイン]
看護婦 :
「………?」
きょとんとした表情で龍ノ介の顔を見る。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「へっ?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「な、なにか変なこと言っちゃいましたかね?」
[メイン] 看護婦 : 「ああいえ。失礼しました」
[メイン]
看護婦 :
「とにかく、見つかったのなら良かったです」
「院長先生にそう伝えておきますね」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「やはり……そうですか」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「変なことをお尋ねしてしまいますが。
屋上からはぼくと本間さんの二人以外、誰も降りていないのですね?」
[メイン]
看護婦 :
「……はい」
申し訳なさそうにそう答える。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 何となく、そんな予感はしていた
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……ぼくたちに屋上に来る前と変わったところはありますか?」
[メイン]
看護婦 :
「…いえ、私が見た限りでは特には」
そう言いながらも少し心配している様子を見せる。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「ご心配をおかけして申し訳ありません……」
[メイン] 看護婦 : 「いえそんな…。このような場所に来られたので、少しおつかれになっているのかもしれません」
[メイン] 間黒男 : 「それでは私達はこの辺で…院長さんによろしく伝えてください」
[メイン]
看護婦 :
「はい。わかりました」
ぺこりと丁寧にお辞儀をする。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ぼくのことを、親身に心配してくれてありがとうございました」
去り際に誠心誠意頭を下げる
[メイン] 看護婦 : 「そんな、私は院長先生から仰せつかったことをしたまでです」
[メイン]
看護婦 :
「お気をつけて」
そう言って2人を見送る。
[メイン] GM : 病院を出ると、君たちは病院から藤巻の家までの道が森に変化していることに気がつきます。
[メイン] GM : 道なき道を行くことになりそうですが、〈自然科学〉を持つ黒男は、樹々の特性や太陽の位置などから推測し、正しい道を歩くことができるだろう。
[メイン] 間黒男 : 道を割り出してナビゲートする
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : うわ!
[メイン] 西洋ドレスの女 : 黙って2人に着いていくが、道すがら何か話したかもしれない。
[メイン] GM : そして森を抜けると、樹々に覆われた藤巻の家へとたどり着く。
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「ああ!君たち、待っていたよ!」
玄関から藤巻が駆け出してくる。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「藤巻先生……」
何があっても事実を見据える覚悟を決めている
[メイン] 間黒男 : 「……藤巻」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 女性の方を見て、感嘆の声を上げる。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「その人だ!僕が名前を知りたかった人は、まさか連れてきてくれるなんて!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「彼女が……見えるのですね?」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「見える?何を言ってるんだい?」
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「まあいい、さあおいで」
女性に向けて手招きをする。
[メイン] 西洋ドレスの女 : 女は藤巻の元へ静かに歩み出す。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……一つ、聞いてもいいですか?」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「うん?なんだい?」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「その女性は、藤巻さんの目にはどういう顔に映っているんですか?」
歩み寄る女性の背を見ながら
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「彼女の表情かい、そうだね……」
[メイン] GM : ここで、龍ノ介には2人の姿がこう見える。
[メイン] 西洋ドレスの女 : 女は悲しそうな表情で、藤巻の元へと歩み寄る。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : その手にナイフを持った藤巻は、目が充血し、ひきつるような笑みを浮かべ、それを待つ。
[メイン] 西洋ドレスの女 : 藤巻の前に立った女は、その首を差し出すように藤巻へ向けて顎を上げた。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……なっ!!」
[メイン] 間黒男 : おれにはそれがどう見える?
[メイン] GM : 一方、黒男には2人の姿がこう見える。
[メイン] 西洋ドレスの女 : うれしそうに藤巻へと歩み寄る女。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 藤巻も陶酔したような表情で女を見ている。
[メイン] 西洋ドレスの女 : 藤巻のすぐ前で立ち止まった女が手を差し出し、藤巻がその手を取ろうとしている。
[メイン] GM : さて、ここで尋ねます。
[メイン] GM : 君たちはどうしますか?
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : そんなの
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 決まっている!
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 2d6 筋力 (2D6) > 6[2,4] > 6
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
/\/\/\/\
<待った!>
\/\/\/\/
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「……!?」
ナイフを持った手を止める。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : その瞬間、がしりと腕を掴み
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「何を……するつもりなんですか!」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「僕の作品を完成させるためだ!君たちもそのために彼女を連れてきてくれたんだろう!?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「その凶器で、彼女を突き刺すのが……先生の言う、完成だったって言うんですか!!」
[メイン] 西洋ドレスの女 : 先ほどまで藤巻に首を差し出そうとしていた女は、「助けて!」と叫び、龍ノ介にしがみつく。
[メイン]
間黒男 :
ここで聞いておこう
おれには何が見えている?
[メイン] GM : 黒男には仲良く手を繋いで藤巻の家に入ろうとする2人を、龍ノ介が止めている光景が見えますね。
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「違う、そうじゃない!そうじゃないんだよ!」
必死に龍ノ介に抗う。
[メイン] 間黒男 : 「どうした龍ノ介…!?……いや」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「なら!説明してくださいよ!
この女性の涙はなんなのか、先生は何をしようとしたのかッ!」
意地でもと腕を掴み止める
[メイン] 間黒男 : 「…それでいい」
[メイン] 間黒男 : 「おい!藤巻!」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「だから、僕の絵の完成のために…」
[メイン] 間黒男 : 「その前に俺達を解放しろ!!」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 黒男の方に顔を向ける。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「……な、君は何を言ってるんだい?」
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「解放して欲しいのはこっちの方だよ」
龍ノ介の方を見ながら。
[メイン] 間黒男 : 「とぼけるな!この件、お前は無関係ではないはずだ!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : こうしている間にも、全力で藤巻と格闘している
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「彼に会おうとしたのは間違っていました、逃げましょう!」
悲しげな顔で龍ノ介に語りかける。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「僕はただ、僕の絵を完成させたいだけなんだ!何故わかってくれないんだ!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……っ!分かりました!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 女性の声を聞いて、全霊の力を体に込め
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「藤巻先生、申し訳ありません!」
突き飛ばす!
[メイン] 間黒男 : 「なら何故彼女はお前の事を知っていた!?俺たちは何故こんな訳の分からない事象に巻き込まれている!?」
[メイン] 間黒男 : 「名前すら知らない人見知りのはずのお前達が!納得のいく説明をして貰おうか!!」
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「ぐあっ……!」
龍ノ介に吹き飛ばされる。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : その隙に女性の腕を引いて後ろに下がる
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : しかしすぐに起き上がり、凶悪な表情で女を追いかける。
[メイン]
藤巻 華峰(ふじまき かほう) :
「彼女は、僕やあの病院の入院患者が生み出した存在だ!そして、僕の絵のテーマでもあるんだ!」
黒男に答える。
[メイン] 間黒男 : 「生み出した!?どういう意味だ!?」
[メイン] 西洋ドレスの女 : その間にも女は龍ノ介の手を引いて、藤巻の家の中へ逃げようと言ってくる。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「どうもこうもない!言葉のままの意味なんだ!」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「間先生……!ここは危険です、一度逃げましょう!」
女性に言われるまま、家の方に駆けていこうと
[メイン] 間黒男 : ……待て
[メイン] 間黒男 : 何故あいつは…
[メイン] 間黒男 : 藤巻の家の中へ逃げようとしてるんだ…?
[メイン] 間黒男 : 「藤巻…お前の絵が完成したら何が起こる?」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「何が起きる?絵が完成するだけだよ。それ以外になにがあるんだ!?」
[メイン]
間黒男 :
「……そうかい!」
藤巻の家に駆けだす
[メイン] GM : 女に連れられた龍ノ介と、黒男が藤巻の家に入る。
[メイン] GM : 家の中に入ると、そこは深い森になっている。
[メイン] GM : 深い深い、全てを飲み込みそうな森がそこに広がっている。
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「この中ならきっと大丈夫!さあ行きましょう!」
悲しい顔をした女は龍ノ介の手を引く。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「はい!」
そろそろ家の中が森だというのにも驚かない
[メイン] 間黒男 : ……この女より早く見つけなければ
[メイン] 間黒男 : 絵は何処だ!?
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「……あれ。行くって、どこへ?」
手を引かれたまま
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「この先、です」
深い深い森の奥を指さす。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……その先には、何があるのですか?」
[メイン]
西洋ドレスの女 :
「彼のいない場所があります」
外にいる藤巻の方に目を向ける。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 藤巻先生は、正気とは思えなかった……
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : ……でも、この深い森の闇の先に……
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
《光》が差すことがあるのか?
ふと恐ろしくなった
[メイン] 間黒男 : ……何処にもない、ここに来る前まであったはずの絵が
[メイン] 間黒男 : ……
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ぼくは帰ることが出来るのですか。この先に足を進めたとして」
一度、足を止めて女性に尋ねる
[メイン] 西洋ドレスの女 : 「はい。この先へ向かって彼から隠れて、全てが終わったら…」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「なら、ぼくは……!」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : ……これがぼくの運命を決める決断になる予感があった
[メイン]
間黒男 :
ハァ~~…
大きくため息をつき
[メイン] 間黒男 : 扉を
[メイン] 間黒男 : ガチャリ
[メイン] 間黒男 : 藤巻を、招き入れる
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「……あなたと一緒には、行けません」
女性の手を丁重に外す
[メイン] 間黒男 : 「藤巻…俺たちはもう既におかしくなってたらしい」
[メイン] 間黒男 : 「おれ達は既に…浸かり過ぎていたんだ…」
[メイン] 間黒男 : 「……やれよ」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
ぼくは事実からは目を背けないと決めた
全てが終わるまで彼女と一緒に逃げたら……それは、目を瞑るのと一緒だ
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
後ろの方から、間先生の声が聞こえた……
扉の方向に振り返った
[メイン] 西洋ドレスの女 : 龍ノ介と繋いでいた手を放されると、女はこれまでで一番悲しそうな顔をして、一人で森の中へと入っていく。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : それとほぼ同時に、藤巻が家の中へと入ってくる。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 「な…ぼ、僕の…」
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 藤巻は絶望した顔を見せ、黒男の話が耳に入っていないようだ。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : そして
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 藤巻は、突如自分の首筋にナイフを突き立てる。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 何度もナイフを首筋に突き立てながら、そして倒れる。
[メイン] 藤巻 華峰(ふじまき かほう) : 大量に噴き出した血が、地面へと降り注ぎ、赤い海が拡がっていく。
[メイン]
間黒男 :
「……!?おい!?やめろ!!」
だが気付いたころには…遅かった
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「藤巻先生……!?」
[メイン] GM : その血の色が君たちの視界いっぱいに拡がった直後、藤巻の家の中で君たちは目を覚ます。
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「はっ……!?」
[メイン] 間黒男 : 「……!」
[メイン] 間黒男 : スッと起き上がる
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ここは……いや、何が……!?」
がばりと体を起こす
[メイン] GM : 君たちはいつのまにか藤巻の家へとやってきていたようだ。
[メイン] GM : 君たちの足元では、自らの首にナイフを突き立てた藤巻が、苦悶に満ちた表情で死んでいた。
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「藤巻……先生……」
人の死体を見たが不思議と落ち着いている
この末路が心の中に刻まれていたからだろうか
[メイン]
間黒男 :
「……」
自分のポケットの中を探る
[メイン] GM : そして、部屋の中央のキャンバスには顔が見えない女と、31本の樹が描かれていた。
[メイン] GM : 黒男のポケットには、「ダゴン」や「ハイドラ」と言った文字が書かれているラベルのついた薬が入っています。
[メイン] 間黒男 : ……そうか
[メイン] 間黒男 : 全部、夢じゃなかった
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「先生、警察を呼びましょう」
[メイン] 間黒男 : 「ああ…すまないが任せた」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 今いるのも現実か幻覚が確かではないけど正しいと思えることをする…そうするしかない
[メイン] 間黒男 : 「立場上おれは警察の前に出るわけにはいかない…」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
こくりと頷き、最後に藤巻先生の顔を見た
せめてもと思い瞼を閉じておく
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「藤巻先生。あなたの身に、何が起こったのかは……
突き止めます。どうしてこんなことになってしまったのか……」
[メイン] 間黒男 : 「……龍ノ介、」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : それが最後の一部始終に立ち会った身として、せめてもの義務だと信じる
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「先生?」
警察を呼びに扉に手を掛けた状態で振り返る
[メイン] 間黒男 : 「この事件の事実関係を洗うつもりだな?」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「……な、なんでそれを!?」
[メイン] 間黒男 : 「お前の事だからな…だがやめろとも言わん、ただ…」
[メイン]
間黒男 :
「それならこいつを持っていけ、必ず役に立つ」
ハイドラの薬を渡す
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「これは……」
手元の瓶を眺める 病院の地下にあった……
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「えっ?なんで間先生の手元にこれが!?」
[メイン] 間黒男 : 「裏家業してるとつい手癖が悪くなってね…まあ話聞いてて大分怪しかったからくすねたのさ」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 用意周到すぎる……
[メイン]
間黒男 :
「まあ…おれから出来ることはそれぐらいだ、後は頼んだぞ」
そういうと、玄関口を開けて消えていく
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「…………」
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : この薬をぼくに渡すのがどういう意味か分からない間先生ではない…
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
もしもこの薬が本当に危険なものだった場合、病院側から真っ先に疑いの目が向くのは間先生とぼくだ
わざわざ事件に首を突き出すぼくに薬を渡すことは、間先生からすれば無用なリスクを背負い込むことでしかない
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : でも、病院が無関係とは思えないこの一件では、ぼくにとってこの薬は解明の重大な足掛かりになり得る……!
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 去ろうとする背中に
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「 待った! 」
[メイン]
間黒男 :
その言葉に
足を止める
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 「先生……」
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
「ありがとうございますッ!」
この一言に全てを込める
[メイン] 間黒男 : 「……」
[メイン]
間黒男 :
「……フッ」
少し笑みを浮かべて
[メイン] 間黒男 : だが振り返らず、歩く
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 扉が閉まる音の残響まで消えるまで、ずっと頭を下げ続ける
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : きっとあの黒衣が風に靡いている……見なくても分かった
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : そして、ぼくも歩き出さないといけない……
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
間先生は全ての病人を受け止められるだけの背中を持っていた
ぼくもあれだけ大きな背中を持てるように、藤巻先生の死を背負って歩き続けるんだ……!
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : それが、生き延びた者の義務だ
[メイン] 成歩堂龍ノ介 : 一度閉まった玄関口に、再び手が押し当てられた
[メイン]
成歩堂龍ノ介 :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : クトゥルーシナリオ「脳病院の女」
[メイン] GM : エンド3「赤い海」
[メイン] GM : これにて終幕です。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :